医療先進都市やまがた

THINK TANK

市保健所シンクタンク機能

市保健所シンクタンク機能

山形市保健所シンクタンクによる
調査研究

山形市では、市民の健康の保持・増進に向けた取組を効果的に推進するため、保健所の医師、保健師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、精神保健福祉士といった専門職と行政職で構成されたシンクタンク機能「健康医療先進都市推進プロジェクトチーム」を設置しています。
プロジェクトチームは健診データやアンケート等により収集した市民の健康に関するデータの科学的な分析や健康課題の抽出・検討等を行い、EBPM※に基づいた健康寿命延伸に取組んでいます。
また、研究結果は日本公衆衛生学会や山形県公衆衛生学会で発表し、学びや議論を深めています。

※EBPM…エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案。

最新の研究成果

RESEARCH01

歯周病検診

山形市では平成30年度より、口腔内の微量な血液量を測定し歯周病のリスクを判定する検査「唾液検査による歯周病検診」を市内全地区で実施し、歯周病の早期発見・早期治療を推進しています。令和6年度の研究では、自記式問診票と唾液潜血検査結果との関連を分析しました。その結果、自覚症状の数や問診票の該当項目と唾液検査陽性率に有意な関連が認められ、さらに年齢や歯科定期健診の頻度と唾液検査陽性率についても有意な関連が明らかになりました。

RESEARCH02歩数

ウォーキング

健康ポイント事業SUKSK登録者の歩数の現状を男女別・年代別・月別に整理しました。男女別にみると女性より男性の歩数が多く、月別にみると8月1月に歩数が少なくなることがわかりました。また、一定期間の体重減少の有無で分けた2群間の歩数を比較すると、体重減少があった群の1日の平均歩数が国の目標値1日8,000歩を達成していました。体重減少に関する要因を統計解析によって分析すると、歩数と性別が独立してそれぞれに有意に関連していました。

事業登録者全体の歩数増加の必要性と運動機会の創出の時期やアプローチの対象を明らかにすることができました。

RESEARCH03フレイル

社会参加

通いの場を通し社会参加することは、高齢者のフレイル予防に関連するとわかっています。通いの場の充実はフレイル予防にとって重要と考えます。通いの場の現状を把握するため、山形市の通いの場にて収集したフレイル問診の結果を分析しました。分析の結果、口腔機能は運動機能、認知機能と相互に関連していることがわかりました。

山形市では、通いの場を「原則として週1回以上、後期高齢者や要支援者でもできる体操などの運動を行っている団体」と定義していますが、運動に限らず口腔機能や認知機能などの低下を予防する活動もフレイル予防に効果的であると考えられるため、運動が苦手な方を含め誰でも通える通いの場のあり方について検討が必要とわかりました。

RESEARCH04減塩

減塩

山形市の集団健診等において希望者に推定食塩摂取量検査を実施し、食塩摂取量と健診結果及び塩分チェックシートの関連性を検討しました。その結果、山形市民の食塩摂取量は男女ともに、国の目標量を大きく上回っており、食塩摂取量とBMIや腹囲などの肥満の指標には、有意な関連が認められました。また、塩分チェックシートの合計点が高いほど食塩摂取量が多いことが示され、食塩摂取量及び高血圧と漬物やラーメンなど食塩を多く含む食品の摂取頻度には有意な関連があることがわかりました。